顔のむくみの取り方は?原因や簡単ストレッチ、マッサージなど解説
朝、鏡に映る自分の顔がむくんでいるのを見て、思わず気分が落ち込むことはありませんか?食べ過ぎたりアルコールを飲みすぎた翌日はむくみやすいものですが、そうではない場合は「何が原因なのだろう?」と疑問に思うこともあるでしょう。
この記事では、顔のむくみのおもな原因を解説するとともに、自宅で簡単にできるストレッチやマッサージ・ツボ押し・蒸しタオルを使った効果的なむくみの取り方をご紹介します。また、むくみを予防するための生活習慣の見直しポイントについても詳しくお伝えしていきますので、むくみでお悩みの方はぜひ参考にしてください。
顔のむくみの原因は?
なぜ、起床時などに「顔がパンパンにむくんでいる」ということが起こるのでしょうか。ここでは、顔のむくみのおもな原因をみていきましょう。
塩分やアルコールの摂りすぎ
塩分やアルコールの摂りすぎは、顔のむくみを引き起こす原因のひとつです。塩分を多く摂取すると血中の塩分濃度が上がります。体はこれを下げるために水分を溜め込む仕組みが働き、その結果、むくみが生じやすくなるのです。
また、アルコールには利尿作用があり、飲みすぎると体内の水分が失われがちです。体は脱水を防ごうとして逆に水分を体内に溜め込むため、むくみが生じる原因となります。
さらに、アルコールは血管を拡張させる働きがあり、血管から水分が漏れ出しやすくなることもむくみを引き起こす一因です。アルコールを飲む際には塩分の多いおつまみを一緒に食べることが多いため、塩分とアルコールの両方を摂りすぎることで、むくみがさらに悪化する傾向があります。
水分の摂りすぎ
水分は健康維持に欠かせないものですが、摂りすぎると顔のむくみの原因となることがあります。特に夏場は、暑さから冷たい飲み物を過剰に摂取しがちです。水分を摂りすぎてしまうと、体が排出しきれない余分な水分が体に留まり、むくみを引き起こしてしまいます。
また、美容やダイエットを意識して「たくさん水を飲むこと」を心がけている方も、摂取量が多すぎるとむくみやすくなるため注意が必要です。人間は1日に約2.5Lの水を必要とするとされています。そのうち、食事や体内でつくられる水分が約1.3Lを占めるため、飲料水から摂取するべき水分量は残りの1.2Lが目安です。この適切な量を守ることで、むくみを防ぎながら健康を維持することができます。
血行・リンパの流れが悪い
血行やリンパの流れが悪くなることも、顔のむくみの大きな原因です。長時間の同じ姿勢・運動不足・冷えなどが要因となり、血液やリンパ液が滞りやすくなります。また、寝るときの姿勢や枕の高さが合っていない場合も、血行やリンパの流れを妨げることがあります。
睡眠不足
意外だと思われるかもしれませんが、睡眠不足も顔のむくみに大きな影響を与えます。十分な睡眠がとれないと体の代謝が低下し、余分な水分や疲労物質が体内に溜まりやすくなるからです。
さらに、睡眠不足は自律神経の乱れを引き起こす要因にもなります。自律神経が乱れると血流が悪化し、むくみが生じやすくなることがわかっています。夜更かしが習慣になっている方や忙しさで十分な睡眠時間を確保できない方、また眠りが浅くて良質な睡眠がとれない方は、睡眠不足が顔のむくみを引き起こしているのかもしれません。
運動不足
運動不足も顔のむくみを引き起こす原因のひとつです。体を動かさないと、全身の血液やリンパの流れが滞りやすくなり、余分な水分や老廃物が体内に蓄積されます。
特にふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれており、その筋肉が収縮・弛緩することで血流やリンパの流れを促進し、全身の巡りを良くする役割を果たします。
この働きは「ふくらはぎの筋ポンプ作用」と呼びばれていますが、運動不足でふくらはぎの筋肉があまり使われないと、筋ポンプ作用は十分に発揮されません。その結果、全身の血行やリンパの流れが悪化し、顔のむくみを引き起こすことがあります。
生理の影響
女性特有の生理周期も、顔のむくみの原因となります。生理前は女性ホルモンの「黄体ホルモン(プロゲステロン)」の分泌量が増加します。黄体ホルモンには体に水分を溜め込む作用があるため、生理前の時期はむくみやすくなるのです。
また、生理中はホルモンバランスの変化によって自律神経が乱れやすい傾向にあります。それによって心身が不安定になりやすいことも、むくみを引き起こす原因と考えられています。
病気
顔のむくみの原因が、病気に関連している場合もあります。むくみ対策をしても改善しない、あるいは慢性的なむくみが続く場合は、病気の可能性も疑いましょう。下記のような病気がむくみの原因となることがあります。
- 心不全
- 腎不全
- 下肢静脈瘤
- リンパ浮腫
- 肝硬変
- 甲状腺疾患
病気が原因の場合、むくみは顔だけではなく、手足や全身にも現れるケースが多くみられます。また、疲労感や倦怠感・食欲不振・体重の増加や減少など、体調の変化をともなうこともあります。このような症状が見られる場合は、病気の可能性もあるため早めに医療機関を受診するようおすすめします。
顔のむくみに即効性のある解消法
ここからは、顔のむくみをに即効性のある解消法を4つご紹介していきます。
顔のむくみの取り方1【ストレッチ】
顔周りの血液やリンパの流れを促進すると、むくみ解消につながります。ここでは、顔のむくみが気になるときにおすすめのストレッチ方法をいくつかご紹介します。
首を左右に倒して筋肉を伸ばすストレッチ
- 1.椅子に腰かけ、両ひじを体の後ろでつかむ
- 2.首を右にゆっくりと傾け、その状態で10秒間キープする
- 3.次に首を左にゆっくりと傾け、同じく10秒間キープする
2~3を1セットとし、3~6セットを目安におこないましょう。
首を左右に回してほぐすストレッチ
- 1.椅子に腰かけ、ゆっくりと10秒間くらいかけて首を右回りに回す(3回)
- 2.次に、首を左回りにゆっくりと回す(3回)
首の筋肉がしっかりと伸びている感覚を意識しながらおこなうのがポイントです。
胸を広げるストレッチ
- 1.背筋を伸ばして椅子に腰かけ、頭の後ろで両手を組む。
- 2.少し上を見るように目線を上げ、肩甲骨を寄せるようにして胸を広げて10秒間キープする
このとき、頭の重みを手のひらに預けるイメージでおこなうと効果的です。複数回繰り返しましょう。
顔のむくみの取り方2【マッサージ】
マッサージは血液やリンパの流れを促進し、顔のむくみを取るのに効果的とされています。ここでは、顔のむくみが気になるときにおすすめのマッサージ方法をいくつかご紹介します。マッサージは、クリームやオイルを塗って肌を保護しながらおこないましょう。
スキンケアのついでにできる顔のマッサージ
- 1.親指以外の指を頬に置き、指全体を使って頬を持ち上げるように大きく円を描く(8回)
- 2.中指と薬指を使い、口角を下から上へと引き上げるようにマッサージする(4回)
- 3.中指と薬指を小鼻のわきに置き、下から上へと引き上げるようにマッサージする(4回)
- 4.親指以外の指を眉頭に置き、額を引き上げるように大きく円を描く(2回)
- 5.中指と薬指を使い、上まぶたを目頭から目尻へ、続いて下まぶたを目尻側から目頭へとソフトタッチでマッサージする(1回)
- 6.最後にこめかみをプッシュする
1~6を1セットとし、6セットを目安におこないましょう。顔の中心から外側に向かって円を描くように、リズミカルにマッサージするのがポイントです。
首からフェイスラインにかけておこなう顔のマッサージ
- 1.首を右回りに3回、左回りに3回ゆっくりと回す
- 2.鎖骨のくぼみに指を置き、心地よい強さでプッシュする(左右20回ずつ)
- 3.親指以外の4本の指をあごに置き、耳の裏まで左右それぞれにさすり上げる(10回)
- 4.耳の後ろから首筋をとおり、鎖骨までさすりながら老廃物を流す(10回)
頬骨に圧をかけるマッサージ
手をグーにして指の第二関節を使い、頬骨に沿ってじんわりと圧を加えるマッサージです。鼻からゆっくりと息を吐きながらおこないましょう。
- 1.鼻のわき、顔の中心部分にゆっくりと圧を加える(5秒間)
- 2.瞳の真下あたりにグーを移動して、頬骨を下から持ち上げるように圧を加える(5秒間)
- 3.頬の外側にグーを移動し、第二関節と指全体を使って圧をかける(5秒間)
圧を加える際は、力を入れすぎず、心地よく感じる程度の強さを意識しましょう。
顔のむくみの取り方3【ツボを刺激する】
顔のむくみが気になるときは、ツボを刺激するのも効果的です。ここからは、水分の排出を促して顔のむくみ解消に役立つツボをご紹介します。
ツボの名前 | 場所 |
---|---|
魚腰(ぎょよう) | 眉毛の中央あたり |
睛明(せいめい) | 目頭と鼻の骨の間 |
攅竹(さんちく) | 左右の眉頭の内側 |
四白(しはく) | 瞳の中心の真下、頬骨の下のくぼみ |
頬車(きょうしゃ) | 口を開けたときにくぼみができる部分 |
ツボを刺激する際は、気持ちよいと感じる程度の痛みを感じない強さでおこなうのがポイントです。
顔のむくみの取り方4【蒸しタオル】
蒸しタオルで顔を温めると血行が促進されるため、むくみの改善に効果的です。朝の洗顔後、スキンケア前に取り入れてみましょう。
蒸しタオルの作り方
- 1.フェイスタオルを濡らして軽く絞る。
- 2.1をビニール袋などに入れ、電子レンジで約1分温める。
※電子レンジの種類により加熱時間は異なります。
蒸しタオルの使用方法
- 1.温めたタオルを広げ、顔全体に1分程度のせる。
- 2.蒸しタオルを取ったら、すぐにスキンケアをおこなって肌の乾燥を防ぐ。
※蒸しタオルが熱すぎるとやけどの恐れがあるため、必ず温度を確認してから顔にのせましょう。
顔のむくみを予防するポイント
ここまで、顔のむくみが気になるときの応急処置を紹介してきましたが、普段の生活を見直すことで、むくみを予防することができます。むくみを予防するために、以下のポイントを意識してみましょう。
ビタミンやミネラルをしっかりと摂る
顔のむくみ対策には、ビタミンやミネラルを豊富に含むバランスのよい食事を心がけることが大切です。特に、以下の栄養素を意識して摂取するようおすすめします。
栄養素 | 期待できる作用 | 含まれる食材 |
---|---|---|
ビタミンB群 | アルコール・脂質・糖質・水分の代謝をサポートし、血行をよくする | 肉類・魚介類・乳製品・卵など |
ビタミンE | 血行を促進する | ナッツ類・アボカド・かぼちゃ・モロヘイヤ・オリーブオイルなど |
カリウム | 体内の余分な塩分を排出し、むくみを予防する | 海藻・バナナ・きゅうり・リンゴなど |
塩分・アルコールは摂りすぎない
顔のむくみの原因となる塩分やアルコールの摂取を控えることも大切です。お酒を飲む際は適量を守り、食事では塩分控えめを意識しましょう。塩分控えめの醤油や味噌を選ぶのもよい方法ですが、出汁やスパイス・酢などの調味料を活用すると、塩分を減らしても物足りなさを感じにくくなります。スパイスを取り入れたり、美味しい出汁にこだわることで、自然と塩分控えめの食事が楽しめるようになるでしょう。
定期的に運動する
血行やリンパの流れをよくするために、定期的な運動するのもおすすめです。ジムに通うことや趣味でスポーツを始めるのもよいですが、運動が苦手な方や忙しくて時間が取れない方は、近所や公園でウォーキングをするのも効果的です。また、「一駅歩く」「エレベーターではなく階段を使う」といった日常生活での工夫も、運動を手軽に取り入れられる方法です。
長時間の同じ姿勢での作業を避ける
長時間同じ姿勢で作業を続けていると、血行やリンパの流れが滞り、顔のむくみにつながります。デスクワークで座りっぱなしの方や接客業で立ちっぱなしの方は、意識的に体を動かすことが大切です。
座りっぱなしの場合は、1時間に1回など、時間を決めて立ち上がり体を動かしましょう。立ちっぱなしの場合は、その場で足踏みをしたり、トイレに行くなどしてこまめに動くよう心がけてください。
体を締めつけない衣服を着る
衣服や下着で体を締めつけることで、血行やリンパの流れが妨げられてむくみの原因となります。ガードルやコルセット・ボディスーツなどの補正下着は締めつけが強いため、むくみ予防には適していません。
また、スキニージーンズやウエストがきつい衣類も同様に血流を妨げる可能性があります。むくみを防ぐためには、リラックスできるゆったりした服装を選ぶようおすすめします。
お風呂に浸かって体を温める
お風呂に使って体を温めると血行が促進されるため、むくみ対策に効果的です。特に、ぬるめのお湯にゆっくりと浸かると副交感神経が働き、自律神経の乱れの改善にもつながります。シャワーで済ませてしまう方も多いようですが、顔のむくみ予防としては1日の終わりにお風呂にゆっくりと浸かるのがおすすめです。
まとめ
今回の記事では、顔のむくみの原因をはじめに、その効果的な取り方について解説してきました。顔のむくみは、何らかの原因で余分な水分が体内に溜まることや、血液やリンパの流れが滞ることで起こります。
解消法としては、ストレッチやマッサージ・ツボの刺激などで血液やリンパの流れを促進し、体内の余分な水分を排出すると効果的です。さらに、蒸しタオルを使ったケアも、顔のむくみを和らげる簡単な方法としておすすめです。
また、顔のむくみを防ぐためには、日頃から塩分やアルコールを控えて、適度な運動や栄養バランスの良い食事を心がけることが大切です。日常生活に小さな工夫を取り入れて、むくみ知らずの顔を目指しましょう。