バッカルファットとは?除去するリスクやダウンタイムなど解説

バッカルファットとは?除去するリスクやダウンタイムなど解説

美容医療は今や、芸能人や有名人などの特別な人がおこなうのではなく、一般庶民にとっても身近なものになってきました。現在は、たるみや小顔効果のある「バッカルファット除去」の治療に注目が集まっています。

この記事では、バッカルファットの除去とはどのような治療なのか、効果やリスク、ダウンタイムなどについてもくわしく解説します。バッカルファット除去の良い点だけでなく、注意すべき点もお伝えしますので、検討している人はぜひ最後までお読みくださいね。

バッカルファットとは?

バッカルファットとは?

バッカルファットとは、頬の深部にある柔らかい脂肪のことです。成人する頃までは目の横から頬あたりの高い位置にあるのですが、年齢とともに下垂してきます。

バッカルファットが下垂すると、ほうれい線やマリオネットラインが出やすくなり、フェイスラインが崩れたり顔が大きく見えたりします。また、バッカルファットは脂肪でできているため、太ってしまうとバッカルファットも肥大化し、ブルドッグ状に頬が垂れ下がってしまいます。

バッカルファットと皮下脂肪の違い

バッカルファットと皮下脂肪の違い

バッカルファットは脂肪ですが、皮下脂肪とはどう違うの?と思いますよね。ここでは、バッカルファットと皮下脂肪の違いを解説します。

バッカルファット

バッカルファットは皮膚の深部、口の中に近い場所にある脂肪です。若い頃はこめかみの奥にありますが、加齢とともに下垂し、ほうれい線やマリオネットラインなどのたるみを引き起こします。バッカルファットをとるためには、口腔内を切開したうえで摘出する必要があります。

皮下脂肪

肌の深部ではなく皮膚の下にあるのが皮下脂肪です。顔に皮下脂肪がつきすぎると、顔が大きくなるだけでなく、2重あごやたるみが生じやすくなります。皮下脂肪をとるためには、耳の裏側やあご下を切開する脂肪吸引や脂肪溶解注射などをおこないます。バッカルファットと皮下脂肪はどちらも顔にある脂肪ですが、脂肪がある位置の深さにより除去法が異なります。

バッカルファット除去で得られる効果

バッカルファット除去で得られる効果

「下ぶくれのように顔の下半分が大きくなってきた」「頬が垂れ下がってきた」と感じる人は、バッカルファットが下垂しているのかもしれません。バッカルファットを除去すると、バッカルファットの下垂が原因で起こる以下の3つのお悩みを解消できます。

フェイスラインがすっきりして小顔に見える

本来こめかみにあるべきバッカルファットが頬に落ちてくると、フェイスラインが崩れ、顔が大きく見えてしまいます。バッカルファットを除去すると、フェイスラインがすっきりして小顔効果が期待できます。

ほうれい線やマリオネットラインの改善

バッカルファットが下垂し、頬の下の位置にくるとほうれい線やマリオネットラインが出やすくなります。ほうれい線やマリオネットラインの治療には、ヒアルロン酸注射もありますが、たるみの溝を埋めたところで根本的な解決にはなりません。ほうれい線やマリオネットラインの原因であるバッカルファットを除去すると、たるみの改善が期待できます。

ブルドッグ顔の改善

バッカルファットが下がるだけでなく、太ったことにより肥大化してしまうと、ブルドッグ顔になってしまいます。バッカルファットの除去をおこなうとブルドッグ顔が改善し、小顔効果が期待できます。

バッカルファットの除去手術の方法

バッカルファットの除去手術の方法

バッカルファットは皮下脂肪とは異なるため、除去する際には口の中を切開しなければなりません。30~60分程度の手術になりますが、どのように切除するのかくわしい方法や流れを見ていきましょう。

局所麻酔・笑気麻酔などをおこなう

口腔内から局所麻酔をおこないます。クリニックにより、笑気麻酔や静脈麻酔などを用意しているところもあります。

口の内側を切除してバッカルファットを除去

口の中を0.5~1cm程度切開し、バッカルファットを確認しながら引っ張り出し除去します。取り出す脂肪の量は、梅干し大~卵黄くらいです。

切開した部分を溶ける糸で縫う

バッカルファットを切除後、切開した部分を溶ける糸で縫合します。糸は時間が経てば自然に無くなりますが、必要に応じ抜糸することもできます。

術後に固定バンドを使用

術後の固定バンドは、クリニックにより推奨されることがあるため医師の指示に従ってください。固定バンドは、オプションで購入する場合があります。施術を受ける前に別料金かどうか確認しておくといいでしょう。

バッカルファット除去のダウンタイム・副作用

バッカルファット除去のダウンタイム・副作用

バッカルファットの除去は、口腔内を切除するためダウンタイムや副作用が1週間程度あります。切開術の中ではダウンタイムは短めですが、腫れが完全に引くまで1~3か月程度かかります。

【主なダウンタイム・副作用】

  • 口内の痛み
  • 違和感、つっぱり感
  • 腫れ、むくみ
  • 内出血

術後2~6時間後から飲食できます。口の内側切開のため洗顔やメイク、シャワーは施術当日から可能です。激しい運動は1週間程度、顔のマッサージは1か月程度控えてください。顔の表面にメスを入れる治療ではないため、メイクや洗顔が当日からできるのはメリットでしょう。

バッカルファットの除去で起こりえるリスク

バッカルファットの除去で起こりえるリスク

ダウンタイム中の症状は時間の経過とともに治まりますが、バッカルファットを除去した場合に起こりえるリスクも頭に入れておきましょう。

頬がこけると老けて見える可能性がある

バッカルファットを切除すると小顔にはなれるものの、頬がこけると老けて見える可能性があります。バッカルファットを取りすぎたり、取る必要のない人が施術を受けたりすると、頬がこけてしまう場合があるため慎重に判断する必要があります。

左右非対称になる場合がある

バッカルファットは、両頬にある脂肪を除去するため、仕上がりが左右非対称になる場合があります。人の顔というのは元々左右対称ではありませんが、施術を受ける前より左右差が目立つようになってしまう可能性があることを知っておきましょう。

若いときに除去するとたるみのリスクが上がる場合がある

若い頃は、バッカルファットは高い位置にあるため、除去してしまうと加齢に伴い皮下脂肪が落ちたときに、頬がこけたりたるみのリスクが上がったりする可能性があります。

バッカルファット除去の費用

バッカルファット除去の費用

バッカルファットの切除は、美容医療でおこなわれている自由診療のため、クリニックによってかかる費用が異なります。多くのクリニックは、両頬の除去で20~40万円くらいで受けられることが多いです。モニター価格などがある場合は、10万円台から受けられるクリニックもあります。

初診料や麻酔料金、固定バンドが別途になる場合は総額が変わるため、カウンセリング時に確認しておきましょう。

バッカルファット以外の脂肪を除去する方法

バッカルファット以外の脂肪を除去する方法

バッカルファット以外の方法として「ジョールファット」や「メーラーファット」の除去術があります。それぞれ、悩みが解消できるポイントが異なるため、ジョールファットやメーラーファットのほうがよい場合もあります。

これら2つの施術についてもくわしく解説していきます。

ジョールファットの除去

ジョールファットとは、口の横から口角下あたりにある脂肪のことです。ジョールファットが下垂すると、マリオネットラインができたり、フェイスラインが崩れやすくなったりします。

ジョールファットの除去は、口角の内側に数ミリの穴を開け、吸引管を使用して摘出します。口の横のふくらみやほうれい線、マリオネットラインの改善に期待できます。

メーラーファットの除去

メーラーファットとは、頬骨周辺のほうれい線とゴルゴ線の間にある脂肪のことです。下垂するとほうれい線が出やすく、目と口の間の面積が大きく見えるのが特徴です。

メーラーファットは、バッカルファットやジョールファットと同様に、口腔内から切除します。メーラーファットを除去すると、ほうれい線やゴルゴ線が目立ちにくくなり小顔効果が期待できます。バッカルファット、ジョールファット、メーラーファットは、1回の施術で同時に除去が可能です。

バッカルファット除去と併用できる施術

バッカルファット除去と併用できる施術

バッカルファットの除去は、余分な脂肪を落とせるため小顔やたるみに効果的です。よりフェイスラインを整えたい人や小顔になりたい人は、他の施術と併用もできます。バッカルファットの除去と相性のよい治療を紹介します。

バッカルファット除去+糸リフト

バッカルファットを切除すると、取り除いた箇所にスペースが生じます。糸リフトを同時におこなうと、引き上がった状態で傷口が癒着し、よりリフトアップが期待できます。バッカルファットの除去と同時に糸リフトを挿入するのがポイントになります。

バッカルファット除去+脂肪吸引

一度の施術で大きな小顔効果を得たい人は、同時に脂肪吸引をするのもおすすめです。顔が大きくなってしまう原因はバッカルファットだけでなく、皮下脂肪が多いことも関係している場合があります。

特に二重あごやフェイスラインの脂肪は、皮下脂肪であることが多く、脂肪吸引で除去することにより大きな変化が期待できます。この場合、バッカルファットの除去よりも脂肪吸引のほうがダウンタイムが長いため、予定の調整をおこなっておきましょう。

バッカルファット除去+脂肪注入

バッカルファットを除去すると、余分な脂肪が落とせると同時に頬がこける場合があります。頬のこけやくぼみを回避しフェイスラインを整えるために、脂肪注入を併用することができます。

脂肪注入は、自身の皮下脂肪を採取し、不純物を遠心濾過で除去します。自身の脂肪細胞を頬やこめかみのこけた部分に注入し、ふっくらとハリのあるフェイスラインに導きます。不要なバッカルファットは除去し、必要な箇所に脂肪を入れ自然な丸みやラインを形成するのです。

バッカルファット除去+ヒアルロン酸注入

バッカルファットの除去でくぼんだ箇所があったり、顔の凹凸にメリハリをつけたい人は、同時にヒアルロン酸注射の施術も可能です。鼻やあごに高さを出し、横顔のシルエットを整えたり小顔効果を出したりできます。ヒアルロン酸注射は、ダウンタイムがほぼない治療のため比較的取り入れやすい治療です。

バッカルファット除去+エラボトックス

エラボトックスは、エラの筋肉を萎縮される薬剤を注入する治療です。即効性はありませんが、注入して2週間くらい経つと徐々にエラが小さくなっていきます。バッカルファットの除去と同時におこなうと、余分な脂肪+エラが小さくなることで高い小顔効果が期待できます。

除去が必要なのがバッカルファットか皮下脂肪なのかは医師と要相談

除去が必要なのがバッカルファットか皮下脂肪なのかは医師と要相談

実際のところ、顔が大きくなる原因やたるみの原因が、バッカルファットなのか皮下脂肪なのかは素人には判断が難しいといえます。両方が原因である場合や皮下脂肪が原因である場合もあるため、除去が必要なのがバッカルファットか皮下脂肪なのかは医師と要相談になるでしょう。

例えば、バッカルファットを除去したけど、思うような小顔効果が出ない場合は、皮下脂肪が原因の可能性が考えられます。また、二重あごが気になりながらもバッカルファットのみ除去すると、頬がこけて顔が縦長になり、余計に二重あごが目立つ場合もあります。自分が小顔になるために取り除く必要があるのは、バッカルファットと皮下脂肪どちらなのかを医師に見極めてもらわねばなりません。

バッカルファットの除去は安易に決めないことが失敗を防ぐ

バッカルファットの除去は安易に決めないことが失敗を防ぐ

バッカルファット除去は、同じ小顔治療である脂肪吸引と比べると、ダウンタイムが短めです。施術時間も短く傷跡が表面に出ないことや、内出血をしてもメイクでカバーできるなどのメリットがあります。しかし「話題の小顔術だからやってみたい」と安易に決めることはおすすめしません。大切なのは、バッカルファットの除去が本当に必要かどうか見極めてくれる医師を選ぶことです。

患者:小顔になりたいからバッカルファットの除去をしたいです。
医師:口腔内から切開しておこなうので気になる頬の膨らみは改善しますよ。リスクと副作用は・・・。30分程度なので本日受けられます。

という具合に、本当に除去が必要かどうかわからないまま治療が始まることも考えられます。

患者が希望する施術をしてくれるのが良い医師と思われがちですが、そうではありません。必要性をきちんと見極めて、患者側が理解できる説明をしてくれる医師を選びましょう。後悔しないためにも、できればいくつかのクリニックでカウンセリングを受け、バッカルファットの除去は安易に決めないことをおすすめします。

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