鼻プロテーゼとは?ダウンタイムやリスクなど分かりやすく解説

鼻プロテーゼとは?ダウンタイムやリスクなど分かりやすく解説

「すっと通った鼻筋になりたい」「鼻を高くしたい」そんな方にとって魅力的なのが鼻プロテーゼです。しかし、鼻の整形手術を受けるにあたって、気になるのがダウンタイムではないでしょうか。

ダウンタイム期間中は人と会うのを控えたり、仕事を休んだりする必要がありますし、痛みなどもあって普段どおりの生活が送りにくいもの。手術を決める前にダウンタイムの期間はどれくらいなのか、どんな症状なのか知っておきたいですよね。

そこで今回は、鼻プロテーゼのダウンタイム期間、ダウンタイム期間中の過ごし方、また注意点について解説します。鼻プロテーゼのリスクについても紹介しますので、施術を受けるか迷っている方は参考にしてみてください。

鼻プロテーゼとは?

鼻プロテーゼとは?

プロテーゼとは、シリコンでできた医療用人工軟骨のことです。これを使用して美しい鼻筋を形成する手術が鼻プロテーゼ(隆鼻術)です。鼻プロテーゼの手術では、鼻の穴の中を切開し、プロテーゼを挿入して適切な位置に固定することで鼻筋を整えます。鼻が低く鼻筋が通っていないのがコンプレックスの方でも、手軽に鼻筋を形成できるのが鼻プロテーゼの魅力です。

使用するプロテーゼは、鼻骨の状態や理想とする仕上がりに合わせてさまざまな高さのものを選べます。先端がL字型に曲がっていて鼻の付け根まで入るL型と、先端までまっすぐで鼻先の手前まで入るI型があります。

L型のプロテーゼは鼻先まで高くできることから、以前はL型を取り扱っているクリニックも多くありました。しかし、現在では仕上がりの自然さ、また将来的にシリコンが露出するリスクを避けるために、I型のプロテーゼだけを扱っているクリニックが多いようです。

鼻プロテーゼの手術の流れ

鼻プロテーゼの手術の流れ

鼻プロテーゼの手術はどのような流れでおこなわれるのでしょうか。カウンセリング~手術の流れまで具体的にみていきましょう。

カウンセリング

手術をおこなう前に、まずはカウンセリングで希望する鼻の高さなどを確認し、どのプロテーゼを挿入するか決めます。顔のバランスを見ながら、自分に合った鼻の高さを医師のほうからアドバイスされることもあります。

デザインを決める

デザインを決め、プロテーゼを削って理想の形に調整していきます。

手術

局所麻酔を注射した後に、片方の鼻の穴の中を小さく切開します。骨膜を剥離してスペースを作り、そこにプロテーゼを挿入します。切開部分を縫合したら、手術は終了です。

鼻プロテーゼの手術は、プロテーゼを削る時間を合わせても1時間以内で終わるケースが多く、早ければ20~30分程度で手術が終了することもあります。

鼻プロテーゼのダウンタイムはどれくらい?

鼻プロテーゼのダウンタイムには個人差があるものの、目立つような腫れは2~3日くらいで落ち着くのが一般的です。1週間ほど経つと、腫れはほとんど気にならなくなります。そのため、仕事の休みは1週間程度取得しておくと安心です。

とはいえ、腫れが完全に引き、プロテーゼが定着して完成するには、3ヶ月~6ヶ月はかかると思っておきましょう。1ヶ月くらいでほぼ完成するものの、鼻に強い刺激が加わるとプロテーゼがズレる可能性があるので注意が必要です。

鼻プロテーゼのダウンタイムの経過

鼻プロテーゼのダウンタイムの経過

鼻プロテーゼのダウンタイム期間中は、痛みや腫れ、内出血などの症状が見られます。術後1週間程度経過すると、だいたいの腫れは目立たなくなりますが、自然な見た目になるまでには、だいたい1ヶ月はかかるのが一般的です。鼻プロテーゼのダウンタイムの経過についてみていきましょう。

手術当日

鼻プロテーゼの手術後は、挿入したプロテーゼが動かないようにテープやギプスを使って鼻を固定します。ただし、クリニックによってはギプスやテーピングをしなくて済むところもあるようです。

個人差があるものの、手術当日は強い腫れが出やすく、赤みや内出血などの症状も見られます。腫れがひどいと不安になるかもしれませんが、時間の経過とともに落ち着いていくので、あまり気にしないようにしましょう。手術当日には抗生剤のほかに痛み止めが処方されるため、痛みが強いときは痛み止めを服用して対処することになります。

術後3~7日

手術から3日ほど経ったら、鼻を固定していたテープやギプスを外します。テープやギプスを外した後は、鼻に刺激を与えないように注意しながら洗顔できます。

また、仕事などで外出することがあれば、メイクをすることも可能です。ただし、まだ鼻プロテーゼが安定していないので、鼻を刺激しないようにやさしくメイクをしましょう。

3日以上経過すれば、強い腫れや痛みは治まっていることが多いですが、内出血の症状はまだ見られることがあります。内出血の症状も徐々に良くなるので、気長に待ちましょう。

術後7日~21日

鼻プロテーゼの手術後7日目を目安に、必要であれば抜糸をおこないます。1週間以上経過すれば傷口は目立たなくなり、腫れもほとんど引いた状態になるため、マスクなしでもほとんど違和感がなくなるでしょう。また、鈍痛も治まって、日常生活が送りやすくなります。

術後1ヶ月

鼻プロテーゼの手術から1ヶ月が経過すると、痛みや腫れ、内出血などもなくなってほぼ完成した状態となります。きれいな見た目になり、手術前のような生活に戻れる頃ですが、プロテーゼはまだ不安定な状態にある点を覚えておきましょう。

鼻に強い刺激を与えると、プロテーゼがズレてしまうおそれがあります。鼻プロテーゼがしっかり定着するには3ヶ月~6ヶ月の期間が必要とされるので、それまでの期間は鼻を押さえたり、こすったりするのは控えましょう。

鼻プロテーゼのダウンタイム中の注意点

鼻プロテーゼのダウンタイム中の注意点

ダウンタイム中は鼻に挿入したプロテーゼが不安定なので、日常生活の中で気を付けるべき点がいくつかあります。どんな点に気を付ける必要があるのか、具体的にご紹介します。

入浴・シャワー

鼻プロテーゼの手術から1週間程度は入浴を控えましょう。入浴すると、血液の流れを促進してしまい、ダウンタイムが長引いてしまう可能性があるからです。シャワーであれば手術当日から可能なので、患部を濡らさないように注意しつつ術後1週間程度はシャワーのみにしましょう。

飲酒

飲酒も入浴と同様、血流を促進するため鼻プロテーゼの手術からしばらくは控えることが大切です。できれば1週間程度、少なくとも2~3日は飲酒しないようにしましょう。

洗顔

ギプスやテープが外れたら洗顔料を使っての洗顔が可能です。(術後にギプスやテーピングなどで固定しないクリニックでは、手術当日から洗顔OKとしているところもあります)それまでの間は、鼻を濡らさないように注意しながら洗顔するか、洗顔シートやホットタオルなどを利用して顔を拭くと良いでしょう。

鼻の固定が外れたら顔全体の洗顔が可能ですが、それでも鼻の中にある傷が濡れないようにする必要があります。また、プロテーゼが安定するまでは、鼻をこするなどして刺激しないようにすることも意識しましょう。

メイク

患部以外であれば手術当日、もしくは手術翌日以降からメイクができます。どのタイミングでメイクをしてよいかはクリニックによって判断が異なるため、医師の指示に従いましょう。とはいえ、手術当日~数日後はまだ顔が腫れており、メイクをしてもそんなに意味がないように思える可能性が高いです。

手術から3日以上経つと、だいぶ腫れも落ち着いてくるため、外出などする際はメイクすることもできるでしょう。抜糸後(施術方法によっては抜糸不要のケースもあり)は鼻を含む顔全体のメイクができるようになるものの、鼻は刺激しないように注意してください。また、メイクが濃いとクレンジングなどでしっかりと落とす必要も出てくるため、手術後1ヶ月くらいの期間はメイクを最小限にとどめるのがおすすめです。

その他、注意点

鼻プロテーゼのダウンタイム期間中は、プロテーゼがズレる可能性があるので、鼻を強くこすったり、押さえつけたりする行為は避けましょう。例えば、風邪やアレルギーなどで鼻をかむ際は注意が必要です。できるだけ強くかまないようにし、出てくる鼻水を拭う程度にします。

内服薬などを使って、できるだけ鼻水が出ないようにコントロールすることもできるでしょう。また、顔をマッサージする際も鼻は避けるようにし、うつぶせ寝など鼻を押さえつけかねない体勢も避けるようにしてください。

鼻プロテーゼのリスクとは

鼻プロテーゼのリスクとは

鼻プロテーゼの手術にはダウンタイムがあるだけでなく、リスクもあります。どんなリスクがあるのか事前に知っておくと、心構えができるほか、リスク回避にも役立てることができるでしょう。鼻プロテーゼの手術にともなうリスクは以下のとおりです。

感染や炎症

プロテーゼは医療用としても使用されている人工軟骨で人体に無害とされていますが、異物を入れることにはなるため、感染症や炎症のリスクがあります。また、鼻の中を切開してプロテーゼを挿入することから、雑菌が入り込んで炎症を起こすことも考えられます。

感染症や強い炎症が起きた場合は、抗生剤の投与で症状を抑えますが、炎症などが治まらない場合は挿入したプロテーゼを除去しなければなりません。鼻プロテーゼを除去した場合は、しばらくの期間は鼻プロテーゼの再手術ができず、少なくとも半年くらいは期間を空ける必要があります。

ズレる、変形する

鼻プロテーゼの手術から完成までは3ヶ月~6ヶ月程度かかります。術後1ヶ月くらい経つと完成形に近づくとはいえ、まだ完全に定着していないため、何らかの刺激でプロテーゼがズレてしまうこと可能性が考えられます。

また、医師の技術不足によって骨膜下に挿入すべきプロテーゼを骨膜の上に挿入してしまい、それがズレや変形につながることもあります。加えて、鼻の形に合わないプロテーゼを挿入した場合も、年月が経つうちに挿入した部分の骨が萎縮・吸収を起こすなどして、くぼみができてしまうことがあります。鼻プロテーゼのズレ、変形などのリスクを避けるには、手術の経験が豊富で、高度な技術をもつ医師に依頼することが大切です。

違和感

鼻の形に合わないプロテーゼを挿入すると、見た目に違和感が生じて整形したとバレやすくなります。挿入したプロテーゼのサイズによっては鼻筋の皮膚に突っ張りが生じ、皮膚がテカってしまったり、肌の色が白っぽくなったりすることもあります。

また、見た目の違和感はなくても、しばらくは異物を入れた感覚が残ることもあるでしょう。そうした違和感は、ダウンタイムを過ぎるとプロテーゼが鼻になじんでくるためなくなるのが一般的です。しかし、プロテーゼのズレや変形などによって、何年もしたのちに違和感が出てくることもあり、その場合はプロテーゼの除去手術が必要となります。

鼻先に穴が空く

鼻の形に合わない大きすぎるプロテーゼやL型のプロテーゼを挿入したときに起こりやすいリスクが、鼻先に穴が空くというものです。大きすぎるプロテーゼを挿入すると、年月が経過するうちにその部分の皮膚が萎縮して薄くなってしまいます。その結果、挿入しているプロテーゼがはっきりと分かるくらいになり、最悪の場合、プロテーゼが飛び出してしまうこともあります。

L型プロテーゼの場合は、鼻先がプロテーゼで圧迫されている状態が継続することで、鼻先の皮膚が薄くなり、プロテーゼが皮膚を突き破って出てきてしまうことがあります。手術から何年も経ったのちに、鼻先に炎症がでてきた場合は注意が必要です。

鼻プロテーゼQ&A

鼻プロテーゼQ&A

鼻プロテーゼに関するよくある質問をQ&A形式でまとめてみました。

鼻プロテーゼのダウンタイム期間中は仕事に出ることができますか?

術後の腫れなどの症状には個人差があるものの、1週間ほどするとだいたいの腫れは引くことが多いので、1週間後を目安に仕事を始めることができるでしょう。1週間の休みが難しい場合は、強い腫れが治まってくる2~3日後であればマスクなどして仕事に行くこともできます。

鼻プロテーゼは定期的に交換する必要がありますか?

鼻プロテーゼは、特にトラブルが生じなければ半永久的に使え、交換の必要はありません。しかし、プロテーゼのズレなどのトラブルが生じた場合は、メンテナンスが必要となります。

鼻プロテーゼの施術はカウンセリング当日に受けることができますか?

クリニックによるものの、当日の施術も可能です。当日施術を検討している場合は、予約を入れる際にクリニックに相談しておくと良いでしょう。

まとめ

鼻プロテーゼとはどんな施術なのか、また気になるダウンタイムの期間とダウンタイム期間中の注意点について解説しました。鼻プロテーゼの手術を受けると、鼻筋が通って鼻に高さを出すことができるというメリットがあるものの、リスクもあります。起こり得るリスクについても考慮して、施術を受けるかどうか決めるようにしましょう。

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